エキシロナビ

「名古屋駅〜那古野・
円頓寺〜名古屋城」の
全てがわかる、
公式観光ガイド

「エキ・シロ」とは 

ものづくり

物流の大動脈「堀川と美濃路」に生まれた、
江戸期の職人技と、近代産業の夜明け

江戸時代に京都から名古屋城下に移住した井上勘造親子によって始められたという名古屋扇子。

名古屋城築城のころから続く「ものづくり文化」

名古屋城の西側には、名古屋城築城をきっかけに花開いたものづくりの文化が集まっています。名古屋城下に暮らす職人が手掛けた名古屋扇子や名古屋友禅などの伝統工芸、今は産業観光施設として人気を集める「トヨタグループ」や陶器メーカー「ノリタケ」の創設地、江戸時代の面影を残す歴史的資産「四間道」や「美濃路」、「屋根神さま」などです。
西区ではものづくりの精神が息づくこのエリアを「ものづくり文化の道」と呼び、マイスターによる観光ガイドやイベントなどを開催。ものづくりの歴史や技術に気軽にふれあい、じっくり知ることができます。

名古屋城下で花開いた名古屋扇子や名古屋友禅、和凧など

慶長15年(1610年)の名古屋城築城をきっかけに、城下町が作られた名古屋。築城時に作られた水運・堀川や、東海道と中山道を結ぶ美濃路は、物流の大動脈になります。大量の木材や食料などが運ばれ、人が物や行き交うと、沿川や沿道には盛り場や門前町が誕生。そこに住む職人の手によって、名古屋扇子や名古屋友禅、和凧などの伝統文化が花開きました。

伝統工芸の工房では、今もなお熟練の職人による手作業で製造されている。

多くの伝統工芸の技術は京都などから伝わり、のちに名古屋らしい特徴を持つようになったといわれます。質素な土地柄が反映された、色数が少なく素朴な名古屋友禅、扇の両面に渋をひいた名古屋扇子、美しく丈夫で揚力に優れた和凧、明治初期には輸出品としても好まれた名古屋提灯など。西区で今も続く工房では、培われた技法が脈々と受け継がれ、全国的にも名高い生産地となっています。工房では事前予約により見学や体験などができます。

戦後に名古屋で生まれた楽器「大正琴」の工房もある。

自動車と陶磁器。2つの近代産業創設の地は、産業観光施設に

明治時代になると、近代産業の息吹が芽生えます。今の則武新町に「豊田自動織布工場」が開設。世界に名を馳せるトヨタグループの歴史がここから始まりました。現在、その工場跡地は「トヨタ産業技術記念館」として整備され、機械の動態展示やオペレーターによる実演などを見ながら、繊維機械や自動車産業の変遷を学ぶことができます。

世界のトヨタの歴史を垣間見ることができる「トヨタ産業技術記念館」。

また、同じエリアには陶磁器メーカー「ノリタケ」の始まりとなる「日本陶器合名会社」が誕生。日本発のディナーセットを完成させて輸出するなど、近代陶業発祥の地になります。跡地に作られた複合施設「ノリタケの森」では、緑に囲まれた広大な敷地の中で、陶磁器工場や名品が揃うミュージアムの見学、絵付け体験などができます。

大正~昭和初期には明道町界隈に日本有数の菓子問屋街が誕生しました。全国に知られる菓子メーカーが立地するなど、現在も西区にはものづくりの精神がしっかりと息づいています。